「ネットのセキュリティもGMO」──使命としての挑戦 
2024年2月6日。渋谷駅前のビル屋上に掲げられていた看板が新しくなった。
「ネットのセキュリティもGMO」──これまでのGMOブルーから一転、緑を基調とした看板はこれまでのイメージを覆すものだった。
この日、GMOインターネットグループは記者会見を開き、代表の熊谷正寿は新プロジェクト「ネットのセキュリティもGMO」の始動を宣言。その第一弾が「GMOセキュリティ24」であった。
1,100人の精鋭が支える「日本の盾」
GMOインターネットグループは、2003年にセキュリティ事業に参入し、電子認証業務を開始して以来、インターネット上のブランド保護サービス、そしてサイバーセキュリティ事業も加え、国内屈指のネットセキュリティ集団になったのだ。いまやグループパートナー約8,000人のうち、1,100人がセキュリティ関連業務に従事している。
GMOグローバルサインによる盗聴・改ざん・なりすまし防止・ログイン認証強化(SSL・暗号セキュリティ)、約200名のホワイトハッカーを擁するGMOサイバーセキュリティ byイエラエ、GMO Flatt Securityによるサイバー攻撃対策(サイバーセキュリティ)、そしてGMOブランドセキュリテイのなりすまし監視・削除支援(ブランドセキュリティ)まで、3つの事業領域で堅牢な防御網を構築している。この専門性が、今回のプロジェクトを支える確かな土台となっている。
革新の第1弾──すべて無料、24時間のセキュリティ支援「GMOセキュリティ24」 
「パスワード漏洩診断」「Webサイトリスク診断」「セキュリティ相談AIチャットボット」。この三つの機能を、誰もが24時間365日無料で利用できるという、世界初のセキュリティサービス「GMOセキュリティ24」が登場した。前述のセキュリティ4社が持つ知見を結集して生まれたものである。AIチャットボットは、GMOインターネットグループのAIエンジニアが特殊な学習を施し、セキュリティに関する不安や疑問にリアルタイムで応答するものだ。
熊谷正寿が持つ想い
この背景には、グループ代表の熊谷正寿の強い想いがあった。1995年の創業以来、熊谷はインターネットを通じてすべての人の笑顔と感動を創造すると信じ、その普及に尽力してきた。しかし近年の相次ぐサイバー攻撃に、インターネットの信頼が揺らぎ始める。熊谷は胸を痛めた。「自分が広めてきたインターネットが、悪意ある者の手で危険なものになってしまっている……」この状況を看過できず、GMOインターネットグループが誇るセキュリティの技術と知見を惜しみなく開放し、安心・安全なインターネットの未来を築くことを決断する。
応募1,800名、来場1,200名──熱気に包まれた「GMOセキュリティ大会議」
3月。プロジェクト発足からわずか1か月後、「GMOセキュリティ大会議&表彰式」が開催された。会場には、内閣総理大臣・石破茂氏やサイバー安全保障担当大臣・平将明氏からのメッセージが届き、産・学・官の一流ゲストが集結。1200人が会場に詰めかけ、オンライン視聴者を含めると2300人が同時に参加する大イベントとなった。
熊谷はこの場で、「セキュリティとは将来への投資である」と熱く語った。多くの企業にとって、セキュリティ対策は目に見えず、コストとしか見なされない。しかし、サイバー攻撃による被害は甚大で、ブランド価値を失墜させる例も少なくない。その現実を前に、熊谷は「コスト」ではなく「投資」であることを強調したのだった。
GMOインターネットグループでは、セキュリティ対策済みのサイトに対し、安心・安全を「見える化」する「安心可視化サイトシール」の提供も行っている。これもまた、ユーザーの信頼を築くための画期的な一手である。
同日開催された「GMO Cybersecurity Award 2025」では、セキュリティ人材の育成と発
掘への貢献が評価され、CODE BLUE発起人・篠田佳奈氏が大賞を受賞。篠田氏はパネルディスカッションにも登壇し、「何も起こらないのが当たり前」であり「何かが起こると責められる」というセキュリティ人材の立場を見つめ直す必要性を訴えた。この表彰式は、そうした優れた人材を
讃え、価値を高める場として開催されたのである。
守り続ける覚悟
「ネットのセキュリティもGMO」は単なる一過性のサービス提供ではない。このあとも矢継ぎ早に新たな施策を打ち続ける。
「すべての人に、安心な未来を。」それが、GMOが掲げる不変の旗印である。